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バニスター株式会社の会社案内 / Company Booklet of Bannistar Inc.

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まだ、完全に完成するまではもう少しかかるのですが、ひとまずお見せできそうなので、ちょこっと新しいお仕事のご紹介です。

バニスター株式会社さんの会社案内をつくらせていただきました。これは、クロス貼りのカバーに、リーフレットを差し込んで使う会社案内です。今回のプロジェクトは、ただ会社案内をつくるというだけじゃなく、もらった後でも使えるようなものになると良いねという話でスタートしました。日本の会社であるから、というわけだけでも無いのですが、出来上がったものが日本的な印象になるような気持ちを共有して、色々と考えさせて頂きました。

カバーの外側には、あまり尖った印象の肌触りにならないよう、DYNIC 10番タッサーという、少し手触りが柔らかいクロスを貼りました。装丁のクロスも見本が山の様にあるので、紙を選ぶ時でもやるんですが、目をつぶって手先に集中して確かめながら決めました。色はバニスターさんの色ということで緑です。サイズはしっかりした印象にしたく大きめで、B4に近い大きさなんですが、中に差し込む紙のサイズから追って決めました。ロゴは空の箔押し。内側の角の仕上がりも、良い感じにして頂けました。

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内側になる見返し部分は、装丁などではよくラシャが使われていますが、ラシャの固さは似合わないと思い、ここに和紙を使うことにしました。

和紙を選ぶには、たまに立ち寄るお香や和紙を売っているお店の片隅にひっそりと残されていた、わがみ堂の「新版 日本の紙 上下巻」という和紙見本帳の中にあった、越前和紙のほどんどがとても良いもので(ほんと素敵)、その中から色鳥の子紙というのを選びました。色鳥の子紙は、特注すると染めの色も変えられるようですが、納期が1ヶ月近くかかるため断念しました。

この内側は、差し込んだ紙と接する部分になるので、よりしっかりと中のものが入っていられるために何かできないかと考えました。そこで、多くの和紙の特徴である、表裏で質感がかなり違うことを上手く使えるんじゃないかと思い、ポケットの付く面は差し込みやすさを考慮しツルっとした表面を、逆側の押さえる面は紙が落ちにくくなるように僅かに毛羽立ったしっとりとした裏面を使いたいと思い、作りに一工夫(通常は、一枚の一続きの面なので)していただきました。差し込むためのポケットも差し込みやすくなるように、のりしろに差し込む紙が引っかからないような作りになっています。

ポケットの形状は、差し込みやすさもあるのですが、差し込んだ紙が、着物の襟の重なりみたいに、ちらっと見えると良いなと思い、差し込む本文にあわせて斜めにカットしました。

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中に差し込む本文は、銅板の凸版印刷です。文字色は、良い感じの深い紺色を出して頂きました。今回も、以前お伝えしたWyzart Inc.さんのWEBサイトと同様に、一文字一文字丁寧に、文字を並べさせて頂きました。

直接的に伝えたいこと以外に、台形の白い帯を印刷(こっちはオフセット印刷)してあるのですが、これは、バニスターさんの「階段の手すりのように」という言葉から連想して、手すりを表現できないかと考えて、7枚全部を順番に横に並べていくと、階段が現れ手すりを感じることができるようになっています。

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あとは、苫更(とまざら)という紙でつくった、こんなタブロイドみたいなものもありますが、これはまた別の機会に紹介したいと思います。

今回は、バニスターの細谷さんからお声をかけて頂いて、とても色々考えさせて頂き、とても勉強になりました。またバニスターのみなさんにも後押しして頂きました。みなさま、本当にありがとうございました。

そして、印刷は今回も三和印刷さん。毎回、色々とお付き合い頂いて、見本を何度作って頂いたことか・・・お手数をおかけしています。でも、おかげさまで、今回も良いものができました。中村さん、いつも、ありがとうございます。

CREDIT

  • Produce/CD/D: Masato Hosoya(Bannistar Inc.)
  • AD/Design: Hiroaki Yokoyama(morld)
  • Print Direction: Osamu Nakamura(Sanwa Printing Inc.)

で、最後に最近思う紙の話。

ここ何年か、和紙が色々なところで見直されています。その昔、効率化の流れから、手作りの紙に手で印刷していたことが、工場製の紙に大量印刷できる世の中に変わった経緯と似たように、インターネットの台頭により、紙がインターネットに変わりつつあることを感じます。

ただ、僕は、紙というものが記録のために使われていないとしても、ある紙を見た時に、単純に良い紙だなぁとかって思うんですね。全く難しい話じゃなく、ただ単に、紙って良いじゃないですか。そういう意味では、布も似ているのですが、細かい何かが集まってできる、その一体となった美しさに惹かれているのかもしれませんね。

そして、今まで紙が担っていた記録という役割は、より一部分的になってきていることを思うと、今までの見方じゃない見方で紙と接することを強く意識できるようになるなと思っています。活版印刷もそうですが、丁寧さを込められるというか。和紙は今も昔も変わらず(厳密には変わってるけど)そうなんですが、今の技術が作ることができる紙の多くは、基本的には印刷するための紙という側面が強いので、ここで紙のつくり方として和紙とは違う流れであっても、良い技術で良い紙って普通にできると思うんですよね。電子ペーパーも別に嫌いじゃないですが、電子ペーパーは紙じゃなくてインターネットと繋がるようなものです。すんなり意識できる、細かい何かが寄り集まったようなものでは無いですし、紙に変わるものではやっぱり無いので、紙というものがもっと良いものとして見直されると良いなと思います。僕も紙について色々考えて、いつか紙をつくってみたいなと思いました。

I had not translated it yet…sorry…

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