FONT "ARCHITECT"
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昨年、フォントをつくってみました。
フォントというと、いわゆるデジタルフォントという扱いになるのかもしれませんが、僕がつくったのは一般的なデジタルフォントではありません。使うのに手間がかかるデジタルフォントです。
昨年は、PCにおける文字について、色々なお仕事を通して考える機会が多かったです。その中で僕が気になったのは、フォントが既存の仕組み前提のものになっているという点です。フォントデータをつくって、それをインストールすれば、登録されている文字は何でもすぐに入力できてしまう。この状態では、文字というものは引っ張ってきて並べるものになってしまう。(この辺の話は、WyzartさんのWEBサイトの話のときに、色々書きました。)
とはいえ、僕らが関わるものの全てにおいて、親しい人に手紙を書くような感覚で、丁寧に文字を書くことはできません。でも、仮に本文は膨大な量ということで納得するとしても、見出しぐらいは丁寧にやってもいいんじゃないかと思ったのが、今回のフォントをつくったきっかけです。(ちなみに、仕事でつくったロゴ案(ボツ)が元になっています。)
FONT "ARCHITECT" − Download (for Illustrator 10 Later)
デジタルフォントは、書道やカリグラフィで大切に扱われている要素を失い、既存の仕組みが前提になっています。その前提に必要以上にとらわれないためのフォントを考えました。
建築物の図面を手描きで引く時、読みやすさを考慮して、縮尺や大きさ、内容の密度とのバランスによって、0.1・0.3・0.5mmの太さ、あるいは0.1・0.2・0.3mmの太さの線を使い分けて図面を引きます。このルールは、あるものに対する線の太さを、描く人が価値観をもって、決めて描くものです。
この、数種類の太さの線の集合に対して、描いた人は達成感を感じ、見た人は緻密さに圧倒されることもあります。
このフォント"ARCHITECT"では、文字の大きさに対する線の太さのバランス感を大切にしています。また、並んだ文字に対する間隔の妙を意識して文字が組めるようにと考えました。
ARCHITECTは、骨と節と支えで構成されたフォントです。その要素それぞれの太さが、文字の大きさに対して良いかどうかを感じながら、大きさや太さ、文字の間隔を決め、文字を組んでください。
このフォントは既存の仕組みに乗らない分、使いにくいものですが、定規とコンパスで手描きすることも容易な書体です。小さな一つの見出しであっても、デザインしている人たちの丁寧な気持ちが含められるようなものになると思いますし、そういう使い方をして頂けると、とても嬉しく思います。
*使い方(Illustratorを使う想定です)
1. 文字をピックアップして、つくりたい単語・文章になるよう
良い感じの文字間隔で並べる。
2. 文字の大きさを決める(線幅が拡大・縮小しないように注意)。
3. 線が細く(or太く)なりすぎていると感じたら、
選択→共通→線幅を使って、
骨・節・支えのそれぞれを選択し、それぞれ良い感じの太さに指定する。
(あまり太くしすぎない方が良いかもしれません。
支えは増やしたり減らしたりしても良いと思います。
公開しているものは状態が安定して見えるように
支えを入れてあります。)
4. 線の太さに対して、文字の大きさや間隔を調整していく。
5. できあがり。
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